いよいよ「庭とエスキース」を発売日を迎えた。
「他者に近づきたい」という思いで弁造さんのところに通うようなった14年後、僕の前から弁造さんはいなくなってしまった。しかし、その後も弁造さんは不在という世界のなかで確かに存在してきた。弁造さんは僕の脳裏や胸のなかでずっと完成しない絵を描き続け、庭を作り続けていた。そして、よくバカな冗談を言っては僕を笑わせてくれた。
そう、昨年の写真集「弁造 Benzo」の制作に引き続き、弁造さんは僕に「庭とエスキース」を書かせてくれたのだと思う。
「庭とエスキース」がどういう本かと尋ねられたら、「人と出会ったこと」を書いた本と言えるかもしれない。
多くの人に読んでいただけることを願って。