いよいよ2017年も大晦日を迎えた。昨年2016年の今時期は、来年1月の写真展開催に合わせて出版する写真集「弁造 Benzo」の制作に向けて、暗室でプリントを作っている最中だった。12月の中旬から入り始め、年をまたいで1月の後半までひたすらプリントした。
最初、僕の頭には写真集の構成があったわけではなかった。目の前に大量のネガがある。それをきちんと焼いてかたちにしてみることが最優先課題で、セレクトや構成はそのあとで考えればいいと思っていた。でも、蓋を開けてみるとそれが良かったと思う。年代順に積み上げたネガを仔細に見ながらプリントしていくことで、弁造さんと過ごした時間が、現実を忘れされるほどのリアリティーを持って迫ってきたのだ。僕はそのリアリティーにどっぷりと浸かりこみ、ひたすら暗闇のなかでネガを見つめ続けるだけでよかった。
そして、結果的にはその不思議なほどのリアリティを持った時間が写真集の構成へとつながっていった。それは簡単に言えば時系列ということになるのだけれど、時間は弁造さんの過去を孕みつつ進むわけで、重層的な時間軸が写真の中には生まれることになった。
写真集を構成することなど初めてのことなので、それが正しいのかどうか今でもわからないのだけれど、今を生きる僕たちの時間軸も「記憶」というもうひとつの時間軸が行ったり来たりしながら進むことを考えると、自然な流れになったような気がする。
こうしてまるまる1年かけて制作した写真集がいよいよ新年からお披露目となる。
写真集を貫いて流れる弁造さんの「生きること」に、銀座ニコンサロンでの写真展「庭とエスキース」が絡み合い、呼応しながらひとつの表現として立ち上がってくることを期待している。
明日からはいよいよ2018年。しっかりと気持ちを引き締めて、新年も写真としっかり向き合っていきたいと思う。と同時に、この一年も本当にたくさんの方々に助けられ日々を過ごすことができた。心から感謝しています。ありがとうございます。
新年もどうぞ宜しくお願いいたします。
初めまして、
写真集はどちらで購入できますでしょうか?
また写真展の開催日も教えていただけると幸いです。
玉内公一様
ご連絡いただきありがとうございます。
写真集については、写真展当日から会場で販売するほか、本日開設いたしましたウェブサイトでもご注文を受け付けております。リンクはこちらとなります。
http://benzo-book.atsushi-okuyama.com/benzo/
また写真展については、銀座ニコンサロン1月24-30日、大阪ニコンサロン2月22-28日となっております。こちらは日曜日は定休日ですのでご注意ください。ニコンサロンのリンクはこちらです。
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/events/201706/ex_20180124.html
また1月26日には写真家の山下恒夫氏とトークイベントも予定しております。ご都合が御付きなようでしたらどうぞ宜しくお願いいたします。
奥山さま
はじめましてカメラマンのしげ(大石成通)と申します。※東京在住/40歳。
数か月前から奥山さんが撮った写真や奥山さんの生き方に魅了されていまして、webサイトの更新を楽しみにしていました。
このようなご連絡をした経験が殆どないので、どのようにお話をすればよいのか分からず、「コメントしたいけど意味不明な連絡になってしまうかもしれない」と迷っていましたが、少し前のブログで写真展用の大判プリントが完成したことを知りまして…。着着と前進する奥山さんに対して尊敬の気持ちを抑えることができなくなりご連絡をさせていただきました。
僕も写真をはじめたのが大昔の話になるのですが、今もフィルムで撮っていてデジカメはiphoneしか持っていない化石のひとりです。月末に行われる展示は必ず見に行きますので、お時間があれば作品について、またネガ現やCプリントなど技術的なことについて色々とお話が聞けますと嬉しいです。お会いできる日を楽しみにしています。
しげ
しげ様
ご連絡いただきありがとうございます!とっても嬉しいです。しげさんもフィルムで制作をなさっているんですね。僕の周りでも少なくはなったとはいえ、淡々とフィルムで秀作を制作している写真家たちがたくさんいます。僕もフィルム+暗室という組みあわせがとても好きで、感材がこの世から無くなるまで続けていくぞーと思っています。ですので、しげさんのこと、勝手に同志と思ってしまいました。24日からの展示期間中は基本的には在廊しておりますので、ぜひお気軽にお声がけください。お話できるのを楽しみにしております。
初めまして。
突然の連絡失礼致します。
私は今、再び通い出した大学で卒業論文を書きながら保護猫活動を行っています。
私が殺処分0、煌びやかなペットショップの裏で消費される命があるのを知ったのは、大石さんの記事が掲載されたDAYS JAPAN2008年6月号を中学図書館にて手を取ったことがきっかけでした。
今では廃刊になったこの雑誌は私の手で大切に保管されています。
動物愛護法という稼働しない法律の下で野良猫よりも悲惨に人の手で殺される子達の存在。
黒ウサギの死因はロードキルであるのにも関わらず原因を押し付けられて殺処分されていく奄美大島の野良猫達。(ノネコ)
今、論文を書いている中で大石さんのご意見、私より遥かに超えるご経験を伺いたく連絡したくこちらにコメントを残します。
もし目に入りましたらご連絡の程宜しくお願い致します。