最後の写真#写真集制作

今日、入稿に向けて最後の暗室作業を行った。数日前から行っていた再プリントで、最後はAPS-Cのネガフィルムをプリントした。

弁造さんのシリーズは基本的にRolleiflexを使い、6×6フォーマットで制作している。しかし、最後は僕自身は一度も使ったことがないAPS-Cのフィルムを引伸機にかけた。

実はこのフィルムは弁造さんが写したもので、弁造さんの死後、遺品から見つかった使い捨てカメラの中に未現像で入っていたものだ。

このカメラを見つけたとき、生前の弁造さんが何を写していたか、正直検討もつかなかった。弁造さんが写真を撮るなど聞いたこともなかったからだ。そこで、半分恐る恐るといった気分で現像してみたところ、現れたのは僕の胸を強く討つシーンだった。

弁造さんが撮った写真が写真集の最後を飾ることになる。

 

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