束見本その2#写真集制作

束見本に改めて準備していたテキスト類を配してみた。こちらも、手作業で慎重に位置を決めていく。デザインについてはPC画面および出力紙で確認しているが、実際に本の中に入ると微妙な調整が必要になる。

写真を撮ることについてもそうだが、どれだけ頭の中や別のものでシュミレーションしていても、現実の中に置いてみるとシュミレーションはシュミレーションの域を出ないことに気づく。そこが難しいし、また面白い。

撮影については、それをずっとやってきたので、最近はシュミレーションしたものを簡単に捨てることができるようになった。これが良いことか悪いことかわからないけれど、現場での判断と直感を大切にしている。とはいえ、シュミレーションが不必要かといえば決してそうではなく、現場に向かうまでの大切なアイドリングのようなもので、準備なしには現場での判断や直感も信じられないものになるような気がしている。

カッター、ものさし、糊を使ってテキスト類を配してみると、写真集がまたひとつ完成に近づいた。

ちなみにテキストは、できるだけ少なくしたつもりだが、合計で5本になった。今回は翻訳もお願いしていて、翻訳者は美術関係のライティングをなさっている小出彩子さん。写真家の有元伸也さんから紹介していただいた。僕の中では小出さんはとても凛としたレトリックを持つ人。仕上がった英文も芯のある印象が続く。一方、僕の言葉が目指すところは、平易な言葉の組み合わせで、事象の奥底にあるものを掘り出そうとするもの。特に今回のテキストについては、僕がみてきた弁造さんを淡々とつづり、弁造さんという人物像と、弁造さんの”生きること”を考えてみた。

これがどう伝わるかまだ不安ではあるが、勇気を出して写真と一緒に放ってみようと考えている。

 

 

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