最近、大切な存在を送り出すことについてよく考える。
弁造さんが逝った日から僕は1週間かけて弁造さんが暮らした丸太小屋で寝泊まりしながら、弁造さんの遺品整理をした。
その間、空は毎日、晴れ渡り、本州各地から集まってきた白鳥たちの群れが北を目指してはばたいていった。
弁造さんが逝ったことを思い起こすと、がらんとした丸太小屋で遺品を整理しているときの静寂の底にいるような何とも言えない感覚がいつも蘇る。でも、それは単なる寂しさや哀しさの感情だけではなく、どこかで温かだったりする。
大切な存在を喪い、哀しさのなかにあるとき、その胸に温かさを溢れさせるためには僕たちは何をしていけばいいのだろう。
今日が台湾ロケの最終日。しっかりと見つめていこう。